今回は、SAP GUIからNTABバッファのスワップ発生状況を確認する方法について説明します。
SAP社は、パフォーマンス向上の観点から、NTABバッファにスワップを発生させないことを推奨しているので、仮にスワップが発生しているのであれば、チューニングを実施する必要があります。
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そもそもスワップとは何か
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スワップとは、一言でいうとハードディスクの一部をメモリとして使うことで、使用することができるメモリ量を大きく見せる機能のことです。
仮にメモリ量が10GBだとすると、11GBの容量が必要なプログラムを動かすことはできません。しかし、その際にスワップ領域(メモリとして使うハードディスク)に1GB分を退避させればプログラムを動かすことができます。
つまり、実際のメモリ量は10GBですが、プログラム側からは11GBあるように見えるという訳です。
基本的に、スワップはパフォーマンス向上を目的に行われます。
Nametab(NTAB)バッファとは
![Sd カード, メモリ, カード, 青, マルチメディア, ストア, バイト](https://cdn.pixabay.com/photo/2012/04/14/14/02/sd-card-34041__340.png)
NTABとは、SAP システムで有効化されているテーブルと項目の各定義が格納されるバッファです。
一括有効化処理、またはユーザにより ( ABAP ディクショナリ、トランザクション SE11 を使用して ) テーブルの有効化が依頼されると、NTABバッファにエントリが登録されます。そして、リポジトリの管理情報から対応する名前テーブルが生成されます。
また、NTABは共有メモリの4つのバッファで構成されています。
![](https://bags-lab.com/wp-content/uploads/2020/12/image-63-1024x95.png)
GUIからNTABバッファのスワップ発生状況を確認する方法
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では、GUIから実際にNTABバッファのスワップ発生状況見てみましょう。
ST02を叩く。
ある時点でのNTABのスワップ発生状況が確認可能。
![](https://bags-lab.com/wp-content/uploads/2020/12/image-64-1024x536.png)
さらに、履歴ボタンをクリックすると過去のデータも参照が可能。
![](https://bags-lab.com/wp-content/uploads/2020/12/image-65-1024x535.png)
![](https://bags-lab.com/wp-content/uploads/2020/12/image-66.png)
さらに、任意の行をクリックするとその日付のスワップ発生状況の詳細を見ることが可能。
![](https://bags-lab.com/wp-content/uploads/2020/12/image-67-1024x596.png)
NTABバッファのパラメータを確認する方法
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NTABにスワップが発生している場合、パラメータのチューニングを実施する必要があります。
チューニングをするパラメータは以下の通り。
![](https://bags-lab.com/wp-content/uploads/2020/12/image-68.png)
パラメータの値のチューニングについては下記SAPノートを参照してください。
・1398802
https://launchpad.support.sap.com/#/notes/1398802
続いて、パラメータの値をGUIから確認する方法について見ていきましょう。
RZ11を叩く。
![](https://bags-lab.com/wp-content/uploads/2020/12/image-69.png)
試しに rsdb/ntab/entrycount を入力して照会。
![](https://bags-lab.com/wp-content/uploads/2020/12/image-70.png)
デフォルト値や現在の設定値等が確認可能。
![](https://bags-lab.com/wp-content/uploads/2020/12/image-71-1024x469.png)
また、文書照会をクリックすると、そのパラメータの説明を見ることが可能。
![](https://bags-lab.com/wp-content/uploads/2020/12/image-72.png)
![](https://bags-lab.com/wp-content/uploads/2020/12/image-73-1024x432.png)
以上。
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