Tr-cd:SPAMからサポートパッケージを確認する方法について解説します。
Note適用時にサポートパッケージのレベルを確認する必要があるので、覚えておくと何かと便利かと思います。
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Tr-cd:SPAMからサポートパッケージを確認

Tr-cd:SPAMを実行し、ステータス > Package Levelを押下。
下記の通り、コンポーネントに対するサポートパッケージが確認可能。

各項目補足

SAPシステムを構成するモジュールや機能はコンポーネント単位でまとまっており、コンポーネントごとにサポートパッケージのバージョンが異なる。
リリース(Release)
概要
- SAPの主要バージョン番号を指し、システム全体の基盤となるソフトウェアのバージョンを示す。
- SAP ERPやSAP S/4HANAなどの製品において、大きな機能変更やアーキテクチャ変更がある際にリリースされる。
例
SAP製品 | リリース名 | 例 |
---|---|---|
SAP ERP | SAP ERP 6.0 | ECC 6.0 |
SAP S/4HANA | SAP S/4HANA 2020 | S/4HANA 2020 |
SAP NetWeaver | SAP NetWeaver 7.50 | NetWeaver 7.50 |
特徴
- 大規模な変更や機能追加がある。
- アップグレードは慎重に計画する必要がある。
SPレベル(Support Package Level)
概要
- 各コンポーネントの適用済のサポートパッケージの最新レベルを示す。
- 各コンポーネントごとに「SPレベル」が設定され、どのバージョンの修正パッチが適用されているかを示す。
例
コンポーネント | SPレベル |
---|---|
SAP_BASIS | 7.50 SP17 |
SAP_ABA | 7.50 SP17 |
SAP_APPL | 6.06 SP17 |
特徴
- コンポーネント単位で管理される。
- 「SPレベル」が高いほど、多くの修正が適用されている。
- システムの安定性やセキュリティ向上のために最新SPへの適用が推奨される。
サポートパッケージ(Support Package, SP)
概要
- SAPが定期的にリリースするバグ修正、機能改善、パフォーマンス向上を含む修正パッチの集合体。
- SAPの各コンポーネントごとに提供され、特定の不具合修正や法令対応のために適用される。
特徴
- 単体で適用するものではなく、SPスタック(SP Stack)という一連のパッケージで提供される。
- 企業の業務継続性を考慮し、適用前には十分なテストが必要である。
- SAP S/4HANAのような新しいプラットフォームでは「Feature Pack Stack (FPS)」や「Support Pack Stack (SPS)」と呼ばれる。
例
サポートパッケージの種類 | 内容 |
---|---|
Support Package(SP) | 通常の不具合修正や改善を含むパッケージ |
Enhancement Package(EHP) | 新機能の追加や大きな改善が含まれる |
Feature Pack Stack(FPS) | SAP S/4HANA向けの定期機能強化 |
Support Pack Stack(SPS) | SAP S/4HANA向けのバグ修正パッチ |
Note適用可否の判断方法

Noteに記載されているサポートパッケージのバージョンが、SAPのバージョンと同じか古い場合は、既にSAPに反映されている状態。つまり、Note適用は不要。
逆に、Noteに記載されているサポートパッケージのバージョンが、SAPのバージョンよりも新しい場合は、まだSAPに反映されていない状態。つまり、Note適用が必要。
【イメージ】

以上。
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