▼SAP転職なら! LINE追加で気軽に相談▼
今回は、固定資産の各取引について、仕訳の発生も仕方まで合わせて説明します。
固定資産特有の取引である、圧縮と減損についても本記事で扱いますので、固定資産に関するひと通りの取引が理解できるかと思います。
知りたい情報をチェック
固定資産の基本的な取引
①:取得
固定資産を取得すること。取得の方法としては主に下記の3パターンがある。
・固定資産を購入する
・工事によって資産を作る
・他者から資産を貰う
固定資産を購入する
固定資産Aを現金にて10万円で購入した。
借方 | 貸方 |
固定資産A | 現金 |
100,000 | 100,000 |
他者から資産を貰う
10万円の価値がある固定資産Aを受贈により取得した。
借方 | 貸方 |
固定資産A | 固定資産受贈益 |
100,000 | 100,000 |
②:除却
事業の用に供しなくなった固定資産を帳簿から除くこと。
固定資産Aを除却した。(取得価額:10万円、減価償却累計額:7万円)
借方 | 貸方 |
減価償却累計額 | 固定資産A |
70,000 | 100,000 |
固定資産除却損 | |
30,000 |
③:売却
所有する固定資産を売却すること。
固定資産Aを5万円で売却し現金を受け取った。(取得価額:10万円、減価償却累計額:7万円)
借方 | 貸方 |
減価償却累計額 | 固定資産A |
70,000 | 100,000 |
現金 | 固定資産売却益 |
50,000 | 20,000 |
④:移動
固定資産の所在が変更になった場合に、振替を行って所在を変更すること。
固定資産Aを移動した。(取得価額:10万円、減価償却累計額:7万円)
借方 | 貸方 |
固定資産A(振替先) | 固定資産A(振替元) |
100,000 | 100,000 |
減価償却累計額(振替元) | 減価償却累計額(振替先) |
70,000 | 70,000 |
圧縮取引
国などから補助金をもらって、機械や設備などの固定資産を購入したとき、利益の一部または全部の損金参入を認める法人税法上の制度のこと。
補助金には主に下記のパターンがある。
- 国庫補助金
- 工事負担金
- 保険差益
また、会計処理は直接減額方式と利益処分方式の2パターンが存在します。
直接減額方式
直接減額方式の仕訳は下記の通り。
※減価償却費の計算
圧縮後の固定資産(1,000,000) / 耐用年数(5年) = 200,000
会計処理 | 借方 | 貸方 |
国庫補助金の受け取り | 現金 | 国庫補助金収入 |
1,000,000 | 1,000,000 | |
固定資産の取得 | 固定資産A | 現金 |
2,000,000 | 2,000,000 | |
圧縮 | 固定資産圧縮損 | 固定資産A |
1,000,000 | 1,000,000 | |
減価償却費計上 | 減価償却費 | 固定資産A |
200,000 | 200,000 |
利益処分方式
利益処分方式の仕訳は下記の通り。
圧縮限度額が200,000なので、減価償却計算により損金として認められない金額(400,000-200,000 = 200,000)を圧縮積立金から取り崩す。
会計処理 | 借方 | 貸方 |
圧縮積立金の計上 | 繰越利益剰余金 | 圧縮積立金 |
1,000,000 | 1,000,000 | |
減価償却費計上 | 減価償却費 | 固定資産A |
400,000 | 400,000 | |
圧縮積立金の取り崩し | 圧縮積立金 | 繰越利益剰余金 |
200,000 | 200,000 |
減損取引
資産の価値を過大に表示したまま将来に損失を繰延べないために、資産の収益性が予想より低下した場合に、資産の回収可能額まで帳簿価額を引き下げること。
減損処理の流れは下記の通りです。
- 減損兆候の認識
- 減損認定の判定
- 減損損失の測定
- 減損処理
また、会計処理は直接控除方式と間接控除方式の2パターンが存在します。
直接控除方式
直接控除方式の仕訳は下記の通り。
借方 | 貸方 |
減損損失 | 固定資産A |
100,000 | 100,000 |
間接控除方式
間接控除方式の仕訳は下記の通り。
借方 | 貸方 |
減損損失 | 減損損失累計額 |
100,000 | 100,000 |
以上。
SAPコンサルタントとして長年にわたり複数のPJに携わってきたプロによる一冊。
本書では宅配ピザ屋を例に、会社の業務とそれに紐づく各SAPモジュールの説明が丁寧にされており、この一冊で体系的に業務とSAPの基礎知識を身に付けることが可能です。
これからSAPの業務に携わる人や、改めてSAPの全体観を把握したい人など、初心者~中級者まで自信を持っておすすめします。
SAP転職なら! LINE追加で気軽に相談▼
コメントを残す