【SAP】問題特定のためのパフォーマンス分析を実施する方法|Tr-cdも合わせて解説【Basis】

\\SAPをやる前に業務の理解を!//

SAPコンサルタントは、ユーザ(現場担当者)と同じ目線で会話できることが求められます。 本書で、経理業務をひと通りインプットしておくことをお勧めします。

【本書の構成】
第1章 販売 
第2章 原価・購買 
第3章 固定資産管理 
第4章 資金管理 
第5章 給与計算 
第6章 経費 
第7章 有価証券管理 
第8章 決算 
第9章 連結決算 
第10章 財務報告

今回は、SAPのパフォーマンスを分析する方法について説明します。

紹介する分析項目はbasis担当者にとって必須の知識ですので、この機会にぜひ覚えておいてください。

SAPパフォーマンス分析の概観

インターフェイス, インターネット, プログラム, ブラウザー, Www, グラフィック, フラットなデザイン

まず、パフォーマンス分析は大きく以下2つの目的に分かれます。

①:問題箇所を特定するための分析
②:問題の詳細を把握するための分析

まず、①で問題箇所の切り分け、すなわちどこに問題がありそうなのか見当をつけます。そして、見当をつけた項目の詳細を②で確認する、というような流れが定石です。

①と②について、それぞれ詳細の分析項目とTr-cdを見ていきましょう。

①:問題箇所を特定するためのパフォーマンス分析

パフォーマンス分析:/n/sdf/smon

/n/sdf/smonからは、APサーバの有効WP数やハードウェアリソース等の使用状況を確認します。
※モニタリングを仕掛けておかないとデータは収集されないので注意が必要

仕掛けたモニタリングをクリック。条件を指定して実行。

画像3

以下の項目を確認することが可能。※一部抜粋

有効ワークプロセス数
有効ダイアログワークプロセス
RFC 処理に使用可能なワークプロセス数
CPU 使用率 (ユーザ)
CPU 使用率 (システム)
CPU 使用率 (アイドル)
CPUs Consumed
Available CPUs
Ready Time in %
Steal Time in Seconds
ページングインアクティビティ (RAM 使用率 %/時)
ページングアウト (RAM 使用率 %/時)
RAM の空きメモリ (%)
空きメモリ (MB)
空きメモリ MB (Filesystem Cache を含む)
割り当てられた拡張メモリ (MB)
ヒープメモリ (MB)
ログイン数
セッション数
最終計測からの経過時間 (ms)

ワークロード分析:ST03N

st03nからは、各ワークロードの概要を確認します。
※モニタリング項目自体はstadとほどんど変わらない

ワークロード概要をクリック。タスクタイプ別に各処理にかかった時間を確認することが可能。

業務トランザクション分析:STAD

stadからは、プログラム実行時のシステム使用リソースを確認します。モニタリングできる項目には、レスポンス時間やCPU時間、メモリ使用率などがあります。

条件を指定して実行。

トランザクションの一覧が表示される。

トランザクションをクリックすると詳細が表示される。

②:問題の詳細を把握するためのパフォーマンス分析

DB分析:ST04

st04を叩くとデータベースの管理画面に飛びます。ここからはDB(HANA)に関する様々な情報を取得します。

例)ロード履歴を確認する

パフォーマンス > ロード履歴をクリック。
DBの各KPI履歴を確認することが可能。(CPU、メモリ、ディスクなど)

OS分析:ST06

st06からは、OSに関する様々な情報を確認します。

st06を叩くとスナップショット(OSの基本情報、現在の仮想化設定値、CPU、メモリ情報)が表示される。

また、前時間より過去の履歴を確認することが可能。

前時間 > CPU

前時間 > メモリ

前時間 > ディスク

ワークプロセス分析:SM50/SM66

sm50からは、実行中・待機中のワークプロセスの一覧を確認します。

sm50を叩くと以下の画面が表示される。
画面上部ではワークプロセスの合計数とワークプロセスの内訳、現在空いているワークプロセス数を確認することが可能。

また、各ワークプロセスをクリックするとメモリ、DB、ABAPスタックの情報を詳細に確認することも可能。

バッファ分析:ST02

st02からは、バッファ設定を確認します。また、SAPメモリも同時に表示されまるので、この値と照らし合わせることで、バッファ関連パラメータに問題があるかどうか判断することができます。

st02を叩くとバッファとSAPメモリの情報が表示される。

「詳細分析メニュー」ボタンをクリックすると、以下の画面に遷移。1つ1つの項目の詳細を確認することが可能。

トレース分析:ST12

st12からは、各種トレースを取得します。取得できるトレースには、ABAPやSQLなどがあります。

st12を叩くと以下の画面が表示されます。
赤枠「ABAP trace」と「SQL summary」をクリックした場合の例を見てみましょう。

ABAP traceをクリック。
1つ1つの処理のトレースを取得し、ボトルネックとなっている処理を特定することが可能。

SQL summaryをクリック。
どの実行処理がボトルネックになっているのか、実行時間などより解析が可能。

【まとめ】SAP パフォーマンス分析を実施する方法

グラフ, 分析, キューブ, バー, 成長, 損失, 利益, ビジネス, レポート, ファイナンス, 統計

パフォーマンス分析は、闇雲に実施したところで原因の特定にはつながりませんし、無駄な時間をかけてしまう可能性が高いです。

まずはしっかりと問題の切り分けを行った上で詳細を分析する、というプロセスで実施するようにしましょう。

以上。

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