【SAP】製造指図とは|製造実績プロセスも併せて解説【PP】

\\SAPをやる前に業務の理解を!//

SAPコンサルタントは、ユーザ(現場担当者)と同じ目線で会話できることが求められます。 本書で、経理業務をひと通りインプットしておくことをお勧めします。

【本書の構成】
第1章 販売 
第2章 原価・購買 
第3章 固定資産管理 
第4章 資金管理 
第5章 給与計算 
第6章 経費 
第7章 有価証券管理 
第8章 決算 
第9章 連結決算 
第10章 財務報告

PPモジュールの主要マスタである製造指図と、製造実績プロセスについて解説します。

製造指図とは

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製造指図(Production Order)とは、内製品を「いつ・どこで・どの資源を使って・どれだけ製造するか」を統合的に管理するPPモジュールの中核となるオブジェクトである。

製造指図の作成粒度

BOMで下位構成を持つ内製品に対して製造指図を登録する。上図の例だと、製品A、半製品A、半製品Bに対してそれぞれ製造指図の登録が必要。

製造指図の構成

製造指図は主に下記の3要素で構成される。

  1. ヘッダ情報
  2. 作業手順情報
  3. 構成品情報

ヘッダ情報

「何を・いつ・どこで・どのくらい製造するか」を管理する。

■主な項目
・親品目(何を作るか)
・プラント(どこで作るか)
・指図タイプ
・製造数量(いくつ作るか)
・開始/終了日(いつ作るか)

作業手順情報

親品目の製造に「どのような作業手順とどのくらいの時間が必要か」を管理する。

作業手順情報は製造指図の登録時に作業手順マスタからコピーされる。製造指図の登録後にマスタの内容を変更しても、製造指図のデータには反映されない。

■主な項目
・作業開始/終了日
・作業区
・プラント
・管理キー

構成品情報

親品目の製造に「どの構成品がいくつ必要か」を管理する。

構成品情報は製造指図の登録時にBOMマスタからコピーされる。製造指図の登録後にマスタの内容を変更しても、製造指図のデータには反映されない。

なお、計画手配変換によって製造指図を登録する場合は、構成品情報は計画手配からコピーされる。

■主な項目
・構成品目
・構成品目所要量
・プラント
・保管場所
・バックフラッシュフラグ

バックフラッシュフラグがオンになっている構成品目は、作業確認が完了したタイミングで自動で出庫(みなし出庫)される。

製造実績プロセス

製造指図登録

製造指図登録

【計画手配あり(CO40/CO41)】

PPモジュールの生産計画機能であるMPS(主生産計画)・MRP(資材所要量計画)によって登録された「計画手配」を製造指図に変換する。

個別の変換はTr-cd:CO40、一括の変換はTr-cd:CO41を使用する。

計画手配は仮の計画、製造指図は確定した計画。
なお、計画手配は内製品の場合は製造指図へ変換、外注品の場合は購買依頼へ変換される業務ケースが一般的。

計画手配なし(CO01/CO08)

計画手配なしでマニュアルで製造指図を登録する。SAP外で生産計画を実施している場合に使用することが多い。

見込生産品(MTS)の場合は、Tr-cd:CO01を使用して製造指図を登録する。一方で、受注生産品の場合は、Tr-cd:CO08を使用して受注伝票に紐付けて製造指図を登録する。

CO08で登録された製造指図において完成入庫された製品は、受注紐付き在庫となり、該当の受注伝票でのみ使用可能な在庫となる。

製造指図リリース(CO05N)

製造指図登録時は、CRTD(作成済)のステータスとなっており、製造指図に対して実績計上できない状態。

CO05Nから製造指図のステータスをREL(作成済)に変更し、製造指図に対して実績計上できるようにする必要がある。

一度指図リリースするとリリース前の状態には戻せない。
個別のステータス変更はTr-cd:CO02からでも可能。

製造指図印刷(CO04N)

CO04Nにて製造指図書(製造指図の情報)を印刷し、実際に製造を行っている現場のメンバーに連携する。

【代表的な製造指図ステータス】
・CRTD(作成済)
 →指図登録後の初期ステータス。実績計上不可。
・REL(リリース済)
 →指図リリース後。実績計上可。
・PRT(印刷)
 →製造指図書印刷済の状態。
・PCNF(部分的確認)
 →作業完了確認が一部完了した状態。
・CNF(確認済)
 →作業完了確認がすべて完了した状態。
・PDLV(部分納品)
 →一部数量で完成品入庫が完了した状態。
・DLV(納品済)
 →全数の完成品入庫が完了した状態。
・TECO(技術的完了)
 →指図が完了した状態。
・CLSD(完了)
 →指図クローズ後。実績計上不可。
・DLFL(削除フラグ)
 →削除フラグが立った状態。

製造実績計上

構成品出庫(MIGO)

MIGOにて製造指図を参照して構成品の出庫処理(製造指図への払出)を行う。

MIGOの画面上、区分「出庫」「指図」を選択し対象の製造指図を入力することで、製造指図の構成品が自動で提案される。(移動タイプは261:指図への出庫)

なお、下図の通り分割して構成品出庫するケースもある。2回目以降の構成品出庫処理では、指図に対して未出庫の数量が自動提案される。

■発生仕訳
費用(コストオブジェクト:製造指図) // 在庫(構成品目)

製造指図の構成品以外の品目を使用した場合は、MIGOの画面上でマニュアルで品目・数量・ロット・保管場所を入力して構成品出庫を行う。

作業完了確認(CO11N/CO12)

CO11NおよびCO12より製造指図の各作業に対して、実績時間や数量などの完了実績を登録する。

作業完了確認を実施したタイミングで、製造指図に対して費用(作業実績時間×活動単価)が計上される。

作業の一部だけ確認した場合は指図ステータスがPCNF(部分的確認)となり、すべての作業を確認した場合は指図ステータスがCNF(確認済)となる。

【その他作業完了確認の裏で動く処理】
・能力所要量の消込
・構成品のバックフラッシュ出庫(マスタ設定必要)
・完成品の自動入庫(マスタ・パラメータ設定必要)

完成品入庫(MIGO)

MIGOにて製造指図を参照して完成品の入庫処理を行う。

MIGOの画面上、区分「入庫」「指図」を選択し対象の製造指図を入力することで、製造指図の親品目が自動提案される。(移動タイプは101:指図入庫)

なお、下図の通り分割して完成入庫するケースもある。2回目以降の完成入庫処理では、指図に対して未入庫の数量が自動提案される。

■発生仕訳
在庫(完成品) // 決済勘定(コストオブジェクト:製造指図)

指図決済(CO88)

基本的には月次で製造指図の決済処理を実施し指図残高をゼロにする。

標準原価と実績原価の差異を計上したり、製造指図に溜まった費用を仕掛品に振替したりするケースが多い。

■仕訳例
<指図が完了し差異勘定へ決済>
製造差異 // 決済勘定(コストオブジェクト:製造指図)
※標準原価 < 実績原価の場合

<指図が仕掛中で仕掛品へ決済>
仕掛品 // 決済勘定(コストオブジェクト:製造指図)

製造指図クローズ(COHV)

COHVから製造指図のステータスをCLSD(完了)に変更し、製造指図に対してこれ以上実績を計上できないようにする。

個別のステータス変更はTr-cd:CO02からでも可能。

関連トランザクション

区分Tr-cdテキスト更新/照会
製造指図CO01製造指図登録更新
製造指図CO02製造指図変更更新
製造指図CO03製造指図照会照会
製造指図CO08製造指図登録(受注参照)更新
製造指図CO04N製造指図印刷照会
製造指図CO05N製造指図発行(リリース)更新
製造指図COHV製造指図一括処理更新
製造指図COOIS製造指図情報システム照会
製造指図COGI自動入出庫後処理(エラーレコード)更新
計画手配変換CO40製造指図登録(計画手配変換)更新
計画手配変換CO48製造指図登録(計画手配部分変換)更新
計画手配変換CO41計画手配一括変換更新
作業完了確認CO11N製造指図に対する作業記録票(単一)更新
作業完了確認CO12製造指図確認(一括)更新
作業完了確認CO13製造指図確認 中止更新
作業完了確認CO14製造指図確認 照会照会

関連テーブル

テーブルIDテキスト
AUFK指図マスタデータ
AFKOPP指図の指図ヘッダ
AFPO指図明細
AFVV作業の数量/日付/金額
AFVC指図内作業
AFRU指図確認
JEST個別オブジェクトステータス
JCDSシステム/ユーザステータスの変更伝票
TJ02Tシステムステータステキスト

ステータス関連図

ヘッダ・明細関連図

以上。

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