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勘定科目マスタの「国内通貨残高のみ」フラグについて解説します。
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勘定科目マスタの”国内通貨残高のみ”フラグとは
“国内通貨残高のみ”フラグは、勘定科目の残高を国内通貨(会社コードの通貨)でのみ管理するかどうかを決定するためのフラグである。
フラグをオンにすると、その勘定科目に記録されるすべてのトランザクションが、常に国内通貨(会社コードの通貨)で管理される。つまり、その勘定科目での残高は、複数通貨で処理された場合でも国内通貨に換算され、他の通貨での残高は管理されない。
“国内通貨残高のみ”フラグは、勘定科目マスタの管理データタブに存在する項目である。(Tr-cd:FS00から勘定科目マスタの照会が可能)
フラグオンの場合
取引が異なる通貨で発生したとしても、最終的な残高は国内通貨のみで管理される。SAPは各トランザクションを自動的に国内通貨に換算し、残高をその通貨で一元管理する。
フラグオフの場合
異なる通貨で取引が行われた場合、各通貨ごとに残高を管理する。つまり、複数の通貨での取引が行われた場合、その通貨ごとの残高が保持される。
【補足】Tr-cd:F.13(自動消込)の挙動
消込管理勘定が複数通貨で計上された場合の、フラグオンとオフでの自動消込の挙動は以下のとおりである。
フラグオフの場合は、伝票通貨額が参照されるため「100 USD ⇔ 10,000 JPY」となり、自動消込で相殺対象とならない。
一方でフラグオンの場合は、国内通貨額が参照されるため「10,000 JPY ⇔ 10,000 JPY」となり、自動消込で相殺対象となる。
“国内通貨残高のみ”フラグのメリット・デメリット
メリット
- 残高管理の単純化
国内取引が中心で、複数通貨による管理が必要ではない場合、フラグをオンにすることで残高管理が簡単になる。 - 通貨換算の手間削減
国内通貨のみで残高が管理されるため、為替レートの影響を考慮する必要がない。
デメリット
- 複数通貨での残高管理ができない
フラグをオンにすると、外貨で取引した場合でも国内通貨に自動換算され、元の取引通貨での残高が確認できない。 - 設定の変更が難しい
フラグをオンにした状態で取引が発生すると、設定を変更することができない。勘定科目の残高をゼロにすれば設定変更はできるが、一時的に調整仕訳を投入する等の対応が必要となるため手間がかかる。
“国内通貨残高のみ”フラグをオンにするケースとは
- 国内取引中心の勘定科目
国内通貨でのみ取引が行われる、または国外取引が少ない場合には、フラグをオンにすることで残高管理が簡単になる。 - 複数通貨管理が不要な勘定科目
現金や国内銀行口座に関連する勘定科目では、フラグをオンにしておくことが多い。
以上。
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