【SAP】資産振替に使用する振替バリアントの設定について解説【FI-AA】

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SAPコンサルタントは、ユーザ(現場担当者)と同じ目線で会話できることが求められます。 本書で、経理業務をひと通りインプットしておくことをお勧めします。

【本書の構成】
第1章 販売 
第2章 原価・購買 
第3章 固定資産管理 
第4章 資金管理 
第5章 給与計算 
第6章 経費 
第7章 有価証券管理 
第8章 決算 
第9章 連結決算 
第10章 財務報告

振替バリアントの設定について解説します。

【前提】資産振替とは

資産振替とは、資産マスタAを資産マスタBに移動すること。資産を管理する部門が変わったり、資産を保持する場所が変わったりした場合に発生する処理である。

振替元、振替先資産の会社コードが同じ場合、会社コード内振替という。一方で、会社コードが異なる場合は、会社コード間振替という。

■Tr-cd
ABUMN:会社コード内振替
ABT1N:会社コード間振替

会社コード間振替が使用されるケースはかなり少ない。

資産振替の方法(3パターン)

資産振替の方法は下記の3パターンがある。

振替方法金額
総額法振替元の取得価額と累計額を振替先に引き継ぐ。
正味額法振替元の帳簿価額を振替先の取得価額に引き継ぐ。
新評価方法市場価額を振替先の取得価額とする。

金額のイメージは下図を参照。

一般的には総額法が使用されることが多い。

振替バリアントとは

振替バリアントは資産振替の際に指定する項目であり、資産の振替方法や振替時の取引タイプ(取得・除却)、振替元→振替先資産にコピーするマスタ項目の設定などを定義する。

振替バリアントのカスタマイズ

定義:振替バリアント

振替バリアントを定義する。

■Tr-cd
S_ALR_87009059
■SPRO
財務会計 > 固定資産管理 > 取引 > 資産振替(関連会社間)> 自動資産振替(関連会社間)> 定義:振替バリアント

設定項目は下記の通り。

SAP標準の振替バリアントの設定は下記の通り。

システム間償却領域の設定。
■SPRO
財務会計 > 固定資産管理 > 取引 > 資産振替(関連会社間)> 自動資産振替(関連会社間)> 定義:システム間償却領域

会社コード内振替(Tr-cd:ABUMN)ではSAP標準の振替バリアント「4」が初期値提案される。ユーザパラメータ「TVA1」を付与することで初期提案される振替バリアントをユーザ毎に設定することが可能。

設定:項目振替(目標会社コードの新規資産用)

振替バリアントに対して、振替元→振替先資産に引き継ぐ項目を定義する。

■Tr-cd
S_ALR_87009059
■SPRO
財務会計 > 固定資産管理 > 取引 > 資産振替(関連会社間)> 自動資産振替(関連会社間)> 設定:項目振替(目標会社コードの新規資産用)

振替バリアントに対して、資産マスタ項目をグルーピングした論理項目グループが紐付いている。

さらに、論理項目グループ配下に項目グループ(資産マスタ項目)が紐付いており、チェックをつけると資産振替時に振替元→振替先資産に項目の値が引き継がれる。


資産振替では既存資産を指定して振替するケースと、新規資産を指定する(振替時に資産マスタを作成)ケースがあるが、本設定は後者のケースに対して有効である。カスタマイズ後に値が引き継がれるか打鍵しておいた方が良い。

以上。

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