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前受金の業務プロセスと前受金のプロセスを使用する上で必要なカスタマイズを説明します。
【SAP】前払金の業務プロセス/必要な カスタマイズを解説【FI-AP】知りたい情報をチェック
前受金(Advanced Receivable)とは
前受金(Advanced Receivable)とは、商品の引き渡しや役務提供が完了する前に受け取る代金のことである。
商品やサービスの提供義務が残っているため、負債科目として用いられる。一般的に、前受金は契約負債(Contract Liability)の一部として扱われることが多い。
仮に商品やサービスが提供できなくなってしまった場合は、前受金を返還する必要がある。
■前受金受領の仕訳
Dr. 現預金 / Cr. 前受金
前受金プロセスに必要なカスタマイズ
前受金プロセスを使用するための方法として、特殊仕訳取引がある。
特殊仕訳取引とは、債権明細を計上する際に得意先コードと併せて特殊仕訳コードを入力することで、得意先コードに紐付けた統制勘定を変更する機能である。
例えば、得意先コードに紐付けた統制勘定が「売掛金」だとする。 債権計上時に、特殊仕訳コード「A」を指定すると、伝票計上される際に統制勘定「売掛金」→「前受金」に打ち替わる。※勘定科目は例 特殊仕訳取引を行うためには、特殊仕訳コードと特殊仕訳コードに対して統制勘定のカスタマイズが必要となるので、後述する。
得意先特殊仕訳のカスタマイズ
■SPROメニュー 財務会計 > 債権管理および債務管理 > 会計トランザクション > 得意先前受金 > 定義:得意先前受金用の統制勘定 ■Tr-cd OBXR:更新 財務会計システム設定 特殊仕訳 - 一覧 ※仕入先特殊仕訳の場合はOBYR
第一画面では、特殊仕訳コードの定義を行う。得意先の場合、勘定タイプは「D」となる。※仕入先の場合は「K」
なお、前受金の特殊仕訳コードはSAP標準で「A」と「F」が用意されている。
第二画面では、特殊仕訳コードに対して統制勘定の設定を行う。
基本的には、統制勘定(打ち替え元)と特殊勘定コード(打ち替え先)を設定しておけば問題ない。
前受金の業務プロセス
【前受金プロセスの全体観】
1.前受金請求(F-37)
得意先から商品やサービスを受注し前受金請求を受領したタイミングで、前受金請求を行う。
前受金請求で計上される伝票は”備忘明細”と言われ、一明細のみの特殊な伝票である。補助元帳のみに転記され、総勘定元帳には転記されない。
2.前受金転記(F-29)
得意先から入金があり、銀行より入金通知が来たタイミングで、前受金転記を行う。
前受金の計上および入金を行う。なお、1.で計上した備忘明細を選択し決済することが可能。(備忘明細の前受金明細が消込済となる)
3.債権計上(FV70 / VF01)
商品やサービスを提供したタイミングで、債権の計上を行う。
債権の計上は以下の2パターンがある。
- FIから計上するパターン
- SD経由で計上するパターン
3-1.FIから計上するパターン
Tr-cd:FV70から、基本的には経理担当者が債権を計上する。
3-2.SD経由で計上するパターン
SD経由で債権計上する流れは下記の通り。請求登録のタイミングで債権が自動で計上される。
4.前受金消込(F-39)
前受金の消込を行う。
相手明細には、3.で計上した未消込の売掛金明細を選択する。
Tr-cd:FB05でも代替可能
5.入金転記(F-28)
「売掛金 – 前受金」の差額分の入金を行う。
今回の例の場合、売掛金50,000円 – 前受金30,000円 = 20,000円がまだ入金されていないため、追加で入金をする必要がある。
なお、入金転記の際は3.と4.で計上した未消込の売掛金明細を選択して消込する。
以上。
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