【会計】売上と請求の違い|会計仕訳(契約資産・負債)について解説【SAP-FI】

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SAPコンサルタントは、ユーザ(現場担当者)と同じ目線で会話できることが求められます。 本書で、経理業務をひと通りインプットしておくことをお勧めします。

【本書の構成】
第1章 販売 
第2章 原価・購買 
第3章 固定資産管理 
第4章 資金管理 
第5章 給与計算 
第6章 経費 
第7章 有価証券管理 
第8章 決算 
第9章 連結決算 
第10章 財務報告

売上と請求は明確に異なる概念であり、売上と請求のタイミングが異なるケースでは契約資産・負債の仕訳が発生します。

売上と請求、契約資産・負債の仕訳について解説します。

売上と請求の概念

まず前提として、売上と請求は目的も判断軸もそれぞれ異なる。

  • 売上:会計の概念
  • 請求:契約・法務・事務の概念

売上の概念

売上とは、企業が顧客に対して約束した財・サービスを提供し、その支配を顧客に移転した結果として得られる経済的成果のこと。

基本的に売上は実現主義に基づいて認識する。実現主義では、下記の2要素が揃って初めて売上が認識される。

  • 財・サービスを顧客に引き渡した(履行義務を充足)
  • 対価を受け取ることが合理的に確実

売上の時間的性質

下記の通り、売上は働いた量や進捗に応じて認識される。

  • 一時点 :納品、検収完了など
  • 一定期間:工事進行、継続的サービスなど

請求の概念

請求とは、契約条件を満たしたことを根拠に、相手方に対して対価の支払を求める権利行使のこと。

請求可否の決定要素

請求の可否は下記のような契約条項で決定され、売上とは異なり会計基準は関係がない。

  • 検収条項
  • マイルストーン
  • 支払期日
  • 分割請求条件
  • 請求頻度(月次・四半期など)

一般に、下記の条件が満たされると請求が可能となる。

  • 契約で定められた成果・進捗・期日を満たしている
  • 検収・承認が完了している(条件付きの場合)
  • 支払期日が到来している、または到来予定である

実務上は請求が可能になったタイミングで請求書を発行することが多い

売上と請求の概念比較

観点売上請求
根拠会計基準契約・法務
主眼履行義務の充足請求権の発生
認識基準実現主義契約条件
入金との関係直接関係しない入金の前提
財務諸表への影響損益計算書貸借対照表(債権)

売上と請求タイミングのずれ

売上と請求がずれるパターンとしては下記のようなものがある。

①:検収条件がある場合

売上が先で、請求が後。売上は認識されるが請求できない。

  • 作業・役務提供が完了
  • 顧客検収が未完了

②:前受金がある場合

請求が先で、売上が後。請求はできるが売上は認識されない。

  • 契約時に請求・入金
  • 実際の契約履行は後日

③:事務処理上のタイミング差

売上認識され請求権もあるが、請求書発行だけ遅れている。

  • 月末締め、翌月請求
  • 年間契約の一括請求

売上と請求がずれた場合の会計仕訳

基本的な考え方としては下記の通り。

■請求 > 売上
差額分を前受金(契約負債)として認識。

■請求 < 売上
差額分を契約資産として認識。

①:検収条件がある場合(前受金なし)

履行義務を充足し売上を認識。

契約資産 100 // 売上高 100

検収が完了し請求権が発生。契約資産を売掛金に振替。

売掛金 100 // 契約資産 100

顧客からの入金。

現預金 100 // 売掛金 100

検収条件がない場合は契約資産を認識せず、下記仕訳となる。
売掛金 100 //  売上高 100

②:検収条件がある場合(前受金あり)

前受金を受領。

現預金 100 // 前受金(契約負債) 100

履行義務を充足し売上を認識。

契約資産 300 // 売上高 300

検収が完了し請求権が発生。前受金(契約負債)、契約資産を売掛金に振替。

売掛金 200      // 契約資産 300
前受金(契約負債) 100

顧客からの入金。

現預金 200 // 売掛金 200

【参考】売掛金と契約資産の比較

観点売掛金契約資産
売上認識
請求権無条件条件付き
検収不要必要
実務的意味回収待ち請求待ち

以上。

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