【SAP】評価クラスとは?関連カスタマイズもまとめて解説【CO-共通】

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SAPコンサルタントは、ユーザ(現場担当者)と同じ目線で会話できることが求められます。 本書で、経理業務をひと通りインプットしておくことをお勧めします。

【本書の構成】
第1章 販売 
第2章 原価・購買 
第3章 固定資産管理 
第4章 資金管理 
第5章 給与計算 
第6章 経費 
第7章 有価証券管理 
第8章 決算 
第9章 連結決算 
第10章 財務報告

評価クラスについて関連カスタマイズ等まとめて解説します。

評価クラスとは

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評価クラスは主に品目の種類(完成品/半製品/原材料など)を定義し、品目の種類とFI転記に使用されるG/L勘定を自動で紐付けるためのキーとなる設定のこと。

評価クラスを品目マスタの会計1ビューに設定しておくことで、対象品目での取引発生時に「どのG/L勘定でFI転記されるか」が決定される。

関連カスタマイズ

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-5.png

評価レベルの定義

■SPROパス
企業構造 > 定義 > ロジスティクス - 一般 > 評価レベルの定義

■Tr-cd
OX14

■目的・設定内容
評価レベルとは、品目の在庫評価を実施する組織単位のこと。
評価レベルをプラント単位とするか、会社コード単位とするかを選択する。基本的には評価レベル = プラントで設定するケースが多い。

評価グループの有効化/評価レベルへの割当

■SPROパス
在庫/購買管理 > 評価および勘定設定 > 勘定設定 > 勘定設定(ウィザードなし) > 定義:在庫評価管理

■Tr-cd
OMWM

■目的・設定内容
評価レベルをグループ化するための有効化設定。
評価レベルをグループ化することで、複数の評価エリア(=基本的にはプラント)に対して共通の自動勘定決定ルールを適用することが可能となる。
■SPROパス
在庫/購買管理 > 評価および勘定設定 > 勘定設定 > 勘定設定(ウィザードなし) > 評価レベルグループ化

■Tr-cd
OMWD

■目的・設定内容
評価クラスに対して勘定コード表および評価グループを割り当てる。

評価クラス定義

■SPROパス
在庫/購買管理 > 評価および勘定設定 > 勘定設定 > 勘定設定(ウィザードなし) > 定義:評価クラス

■Tr-cd
OMSK

■目的・設定内容
<参照勘定カテゴリの定義>
参照設定カテゴリとは、品目タイプと評価クラスを紐付けるためのキーとなる設定。品目マスタの会計1ビュー対して設定することのできる評価クラスを制御するために使用される。

<評価クラスの定義>
評価クラスを定義し、評価クラスに対して参照勘定カテゴリを割り当てる。

<品目タイプに参照勘定カテゴリを割当>
品目タイプに対して参照勘定カテゴリを割り当てる。

参照勘定カテゴリをキーに品目タイプと評価クラスが紐付けられ、品目マスタにおける会計1ビューの評価クラスには、品目タイプに紐付く評価クラスしか設定ができないような制御がかかる。

自動仕訳設定

■SPROパス
在庫/購買管理 > 評価および勘定設定 > 勘定設定 > 勘定設定(ウィザードなし) > 仕入勘定管理 > 設定:自動仕訳

■Tr-cd
OBYC

■目的・設定内容
内部処理キーや評価クラス等の組み合わせで取引発生時にFI転記されるG/L勘定を設定する。

自動仕訳設定(Tr-cd:OBYC)の具体例

評価クラスが絡む代表的な内部処理キーは下記の4つ。

内部処理キーテキスト
BSX在庫転記
GBB定期記帳の相手勘定入力
PRD価格差異
WRX入庫/請求仮勘定

内部処理キーは基本的に移動タイプに紐付いている。

BSX(在庫転記)

MIGOで入出庫する際に計上される在庫勘定を設定する。

評価クラステキスト勘定テキスト
3000原材料1XXXXXXXX0原材料
3100商品1XXXXXXXX1商品
7920製品1XXXXXXXX2製品
■仕訳イメージ ※MIGOによる入庫
<品目の評価クラス:3000>
原材料 100 // 入庫請求仮勘定 100
<品目の評価クラス:7920>
製品 100 // 入庫請求仮勘定 100

GBB(定期記帳の相手勘定入力)

主に在庫が増減した際の在庫勘定(内部処理キー:BSX)に対する相手勘定を設定する。

勘定修正キー評価クラステキスト借方勘定貸方勘定テキスト
AUF3000原材料B000000001B000000001製造原価
AUF3100商品B000000001B000000001製造原価
AUF7920製品B000000001B000000001製造原価
■仕訳イメージ
<勘定修正キー:AUF>
在庫 100 // 製造原価 100

GBBにおける代表的な勘定修正キー

勘定修正キー取引例
AUF製造指図への入庫、製造指図決済
INV棚卸差異転記による費用または収益計上
VAX受注による出庫、勘定割当なし
VAY受注による出庫、勘定割当あり(原価管理が必要)
VBO仕入先提供在庫の消費
VBR内部出庫
VNG廃棄処理
ZOB購買発注なしの入庫
ZOF製造指図なしの入庫

PRD(価格差異)

価格差異が発生した場合に計上される価格差異勘定を設定する。

  • 勘定修正キー:ブランク
    購買発注に対する入庫や請求時に計上される価格差異を定義。
  • 勘定修正キー:PRA
    出庫や在庫移動時に計上される価格差異を定義。
  • 勘定修正キー:PR
    製造指図に対する入庫や決済時に計上される価格差異を定義。
勘定修正キー評価クラステキスト借方勘定貸方勘定テキスト
3000原材料A000000001A000000001購入価格差異
3100商品A000000001A000000001購入価格差異
7920製品A000000001A000000001購入価格差異
PRA3000原材料A000000001A000000001購入価格差異
PRA3100商品A000000001A000000001購入価格差異
PRA7920製品A000000001A000000001購入価格差異
PRF3000原材料A000000003A000000003製造差異
PRF3100商品A000000003A000000003製造差異
PRF7920製品A000000003A000000003製造差異
■仕訳イメージ
<勘定修正キー:ブランク>
在庫     100  // 入庫請求仮勘定 120
購入価格差異 20
※不利差異(標準原価 < 発注単価)のケース

<勘定修正キー:PRA>
在庫   100 // 仕掛品 120
製造差異 20

<勘定修正キー:PRF>
出庫請求仮勘定 120 // 在庫 100
             購入価格差異 20

WRX(入庫/請求仮勘定)

MIGOで入出庫する際に計上される入庫請求仮勘定を設定する。

評価クラステキスト借方勘定貸方勘定テキスト
3000原材料Z000000001Z000000001入庫請求仮勘定
3100商品Z000000001Z000000001入庫請求仮勘定
7920製品Z000000001Z000000001入庫請求仮勘定
■仕訳イメージ ※MIGOによる入庫
<品目の評価クラス:3000>
原材料 100 // 入庫請求仮勘定 100
<品目の評価クラス:7920>
製品 100 // 入庫請求仮勘定 100

関連テーブル

テーブルIDテキスト
T001K評価レベル
T025評価クラス
T025T評価クラステキスト
T030標準勘定テーブル
T134品目タイプ
T134M数量/金額更新の管理
T156移動タイプ
T156X内部処理キー修正

以上。

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