【会計】リキダメ(Liquidated Damages)とは|会計仕訳も併せて解説【SAP-FI】

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【本書の構成】
第1章 販売 
第2章 原価・購買 
第3章 固定資産管理 
第4章 資金管理 
第5章 給与計算 
第6章 経費 
第7章 有価証券管理 
第8章 決算 
第9章 連結決算 
第10章 財務報告

リキダメの概要と会計仕訳について解説します。

リキダメ(Liquidated Damages)とは

リキダメ(Liquidated Damages)とは、契約違反(主に遅延・不履行)が起きた場合の損害賠償額を、あらかじめ契約で定めておく仕組みのこと。

実際に発生した損害額を都度立証する手間を省き、紛争予防・迅速な解決を目的とする。

日本語では「損害賠償額の予定」「違約金(予定)」と表現されることが多く、建設、IT開発、製造委託、賃貸借、M&Aの表明保証違反などで広く使われる。

法的根拠

  • 民法420条1項
    → 当事者は損害賠償額を予定できる
  • 同条2項
    → 違約金は「損害賠償額の予定」と推定される

リキダメの目的

  • 実損額の立証を不要にする
  • 紛争の予防・迅速解決
  • 契約履行のインセンティブ付与

リキダメの留意点

  • 著しく過大な金額は裁判で減額され得る
  • 懲罰目的のペナルティは日本法では認められにくい
    実損がリキダメを上回っても、原則として追加請求は不可

リキダメの代表的な形態

形態内容
定額型例:違反1件につき100万円
日額型例:遅延1日につき10万円
上限付き例:契約金額の10%を上限
段階型遅延日数に応じて増額

実務上は上限付きのケースが一般的

リキダメにおける会計処理

①:原則処理(費用計上)

適用されるケース

  • 売上とは独立した損害賠償
  • 懲罰的・制裁的性質が強い
  • 別契約に基づく支払

会計仕訳

■支払側
違約金|損害賠償金 // 未払金

■受取側
未収金 // 雑収入|違約金収入

②:売上高マイナス処理

適用されるケース

  1. 売上と同一契約
  2. 遅延等による契約対価の調整
  3. 契約書に「請負代金から控除」等の定めがある

会計仕訳

■支払側
売掛金 // 売上高

■受取側
未払金 // 費用

まとめ

  • 判断基準は常に実態
  • 契約書文言が会計処理を左右する
  • 売上控除処理は例外的だが確立した実務
  • 監査・税務では対価調整か損害賠償かが最大の論点

以上。

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